『敏感肌』は皮膚科学的に明確な定義はありませんが『健康なお肌では何ともない刺激に反応しやすく肌トラブルを起こしやすい敏感な状態』のことをいいます。
敏感肌判断方法
以下のうち3個以上当てはまる場合は敏感肌(または一時的敏感状態)の可能性が高いです。
【肌感覚】
・洗顔後や入浴後に肌がつっぱる、ヒリヒリする
・スキンケアやメイク時に刺激や赤みを感じる
・季節や体調、月経周期で肌の調子が変わりやすい
・小鼻や頬に赤み、かゆみ、ピリつきがある
【見た目】
・乾燥による粉ふきや皮むけ
・赤み、炎症、ニキビ様のポツポツ
・化粧水がしみる
・肌荒れが長引く、治っても再発しやすい
バリア機能の低下
『敏感肌』の症状はさまざまですが『敏感肌』になる原因は共通していて、肌が本来持つ『バリア機能の低下』であることが多いです。
『肌のバリア機能』は皮膚表面の角質層に備わっている外界からの異物の進入や刺激をブロックすると共に身体の水分を外に逃がさないようにする機能です。
角質層の水分・油分が適切に保てなくなると『バリア機能』が正常に働かず、多くの人には刺激にならない物質に対して敏感に反応してしまいます。
~刺激になること~
【外的刺激】
紫外線、花粉、PM2.5、摩擦、マスクの擦れ、空気の乾燥など
【生活・体調】
睡眠不足、ストレス、ホルモン変化、月経前後など
【スキンケアによる刺激】
アルコール、香料、界面活性剤、ピーリング、強い化粧品の成分など
肌質と肌状態
『乾燥肌』『脂性肌』などは元々の『肌質』で『敏感肌』はトラブルが起こりやすい『状態』のことをいいます。
『乾燥している』『皮脂が多い』だけでは『敏感肌』といえませんが、肌質の状態が悪化して『痒みや湿疹(アトピー性皮膚炎など)・ニキビ(尋常性ざ瘡)』など症状として出るようであれば『敏感肌』といえます。
敏感肌と炎症とニキビ(尋常性ざ瘡)
ニキビ(尋常性ざ瘡)は、皮脂腺に皮脂が溜まり皮膚常在菌のアクネ菌が増えて、炎症を起こした状態です。
敏感肌は外的刺激に反応しやすい為、皮脂分泌のバランスが崩れやすく、ニキビの出来やすい状態でもあります。
敏感肌は健康なお肌と比べると肌の水分を保つ角質層の油水分のバランスが崩れ安い為、肌が乾燥しやすく、炎症を起こしやすい状態になっています。
敏感肌という炎症を起こしやすい状態でニキビが出来てしまうことで更に炎症が起こり症状が治りにくくい悪循環が起こります。
また、健康な肌の場合、一時的に炎症が起きても数日程で炎症が治まります。拡張した毛細血管も元通りに収縮し赤みが引いていく場合が多いですが、敏感肌の方の場合は赤みが長引いてしまう場合があります。
少しの刺激で免疫反応が起き炎症が繰り返し起きてしまうこと、炎症が繰り返し起こることで、毛細血管が広がってしまい、血流増加状態が続く為、肌に赤みが出るようになります。
敏感肌のスキンケア・対処法
必要な成分を補い『バリア機能』を正常化させることが大切です。
『守る・減らす・整える』ことでバリア機能を立て直していきましょう。
【守る: 刺激を最小限にする】
・洗顔は低刺激、アミノ酸系(例:ココイルグルタミン酸Naなど)
・ぬるま湯でやさしく洗う(熱いお湯はNG)
・タオルでこすらず押さえるように拭く
【減らす:不要な成分を避ける】
避けたい成分
・アルコール(エタノール)
・香料・着色料
・界面活性剤が強いもの(洗浄力が高いクレンジングなど)
・ピーリング、スクラブ系アイテム
・濃度の高いビタミンCやレチノール(刺激が出やすい)
【整える:バリア機能を立て直す】
積極的に取り入れたい成分
・バリア修復:セラミド、コレステロール、脂肪酸
・抗炎症: グリチルリチン酸2K、アラントイン、ツボクサエキス
・保湿: ヒアルロン酸、アミノ酸、グリセリン、スクワラン
・鎮静: カモミラエキス、パンテノール(ビタミンB5)